※2019年4月1日 現在

 

村上正志 Masashi Murakami PI、教授
高橋佑磨 Yuma Takahashi 助教
José Said Gutiérrez-Ortega ホセ PD
倉西良一 Ryoichi Kuranishi 研究員
佐藤恵里 Eri Sato D2(学振)
飯島大智 Daichi Iijima D2(学振)
茶木慧太 Keita Chagi D1
鈴木晶己 Shoko Suzuki M2
吉田琴音 Kotone Yoshida M2
上野尚久 Takahisa Ueno D1(先進)
桂 優菜 Yuna Katsura M2
横溝 匠 Takumi Yokomizo D1(先進)
菰田浩明 Hiroaki Komoda M2
姜雅珺 Jiang Yajun M2
大類詩織 Shiori Ohrui M1
佐藤あやめ Ayame Sato M1
小林遥香 Haruka Kobayashi B4
斉藤京太 Keita Saito
B4
柴田匡人 Masato Shibata
B4
竹之下彰子 Akiko Takenoshita B4
水流尚樹 Tsuru Naoki B4

注)学振:日本学術振興会特別研究員、先進:千葉大学大学院融合理工学府先進科学プログラム生

村上正志|Masashi Murakami|教授

地球上には多種多様な生物が生活しています。多様性がどのようにして生じ、維持されているのかを知りたいというのが、私の研究目的です。それぞれの生物の分子基盤から多様化の過程を構築するというボトムアップアプローチと、集団にみられる特徴的な構造をもとに、その成立過程を再現するというトップダウンアプローチを組み合わせることで、この疑問に迫るべく研究を進めています。

 

 


 

高橋佑磨|Yuma Takahashi|助教

生物の進化過程を理解し、その生態学的・系統進化学的副産物を理解する

生物は種や集団によって異なった生態学的特徴(密度や分布の広さ、安定性など)をもちます。こうした差異を生む機構やその結果として生じる生物多様性の空間パターンを理解することが私の関心事です。適応進化や確率的進化(遺伝的浮動や遺伝子流動)による進化過程の検証とその副産物的効果の検証の両面から、この問題に取り組んでいます。多くの生物に当てはまる普遍的なメカニズムを見つけ出すために、動物や植物、(微生物)などさまざまな生物を用い、ゲノム解析から室内実験、数理モデル、機械学習、フィールドワークを駆使して研究を展開しています。

 

 


 

José Said Gutiérrez-Ortega|PD

The adaptive divergence of cycads clarifies the genomic origins of ecological speciation
ソテツ類の適応的な多様化における生態的種分化のゲノミクス

My interest is to understand the phenomena that drive the evolution of biodiversity. I study cycads, a so often called “living fossil” lineage of seed plants, as a group that may clarify the mechanisms of ecological stasis, adaptation, and the pathways of speciation. Using phylogenetics, phylogeography and population genetics, I aim to reveal the demographic history of cycad species, particularly in the Neotropics. Also, I aim to clarify the genetic diversity of threatened species and the genomic mechanisms involved in the maintenance of cycad species, which is crucial information to contribute for their conservation.

 

 


 

倉西良一|Ryoichi Kuranishi|研究員

ムラサキトビケラ属昆虫の分類・進化・分子系統地理

ムラサキトビケラ属はヒマラヤ山脈から東アジアに分布する捕食性の昆虫で、トビケラ目昆虫では例外ともいえる巨大な体サイズを持つ。これまで世界から21種が知られているが分類形質の評価に問題があり、形態(交尾器の内袋を含む内部構造)の詳細な解析と遺伝子を含めた分類学的再検討を行っている。日本列島にいたる本属の分布の成立過程や西日本の山地渓流で極端に巨大化する体サイズの謎に迫りたいと考えている。

 


 

佐藤恵里|Eri Sato|D2

島およびアジアにおける鳥類の共起パターンと形質・環境との関係

共起する種の系統的類似度を定量することで、種の共起パターンやその歴史的プロセスを調べることが出来ると考えられています。私は、島とアジアに生息する鳥類に焦点を当てて、種の持つ共起パターンと、生態的形質や環境との関係を調べています。

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飯島大智|Daichi Iijima|D2

気候変動に対する応答の生態系間ミスマッチが高山性鳥類群集に与える影響を解明する

生態系間でおこる資源の移動は、受け手の生態系に成立する群集の構造を変化させることが実証されています。一方、気候変動に伴う生態系の変化と資源移動を関連付けた研究はほとんどありません。私は、高山帯の残雪上に落ちている系外から輸送されたと考えられる昆虫を、鳥類が繁殖期に利用することに注目し、気候変動に伴う系外から高山帯への資源移動の変化が、高山帯に成立する鳥類群集に与える影響を解明することを目的に研究を行っています。


 

茶木慧太|Keita Chagi|D1

ラン科植物の多様化と適応放散

ラン科植物は世界中に2万から3万種程度が生育するとされ、陸上植物の中で最も種数の多い科といわれることもあります。ラン科が多様化した原因として、今までに様々な要素が挙げられてきました。私はその中でも特に種間交雑に注目し、交雑が多様化に与える影響力を評価しようと考えています。


 

鈴木晶己|Shoko Suzuki|M2

無報酬花が昆虫を騙すことの意味:数理モデルの構築

研究内容


 

吉田琴音|Kotone Yoshida|M2

チリメンカワニナの生息域決定における進化的制限要因

生物種の生息域は生息限界での局所適応によって拡大します。しかし、その範囲は無限に広がることはなく、局所適応を制限するなんらかの要因が働いていると考えられます。そこで私は河川の淡水域に生息するチリメンカワニナの汽水域への適応に注目し、河川内の集団構造や集団間の遺伝子流動が適応に与える影響をゲノム解析や形態解析などを通じて検証しています。


 

上野尚久|Takahisa Ueno|D1

オミクス解析による種内と種間の生態的多様性効果の統合

生物の多様性はシステム全体の生態的機能を高める役割があります。この現象は「多様性効果」と呼ばれています。群集レベルでは、生態系を構成する種の多様性や生態的特性のばらつきが生態系機能を向上させることがわかっています(種間多様性効果)。一方、個体群レベルでは、集団を構成する個体の遺伝的多様性が集団の機能を向上させることがわかりつつあります(種内多様性効果)。種間と種内の多様性効果を比較した研究によると、種間のみならず種内の多様性効果も重要であることが示唆されています。しかし、どちらの多様性効果が、どのような場合にどれほど卓越しているのか、といった検証は十分ではありません。そこで、私の研究では、ショウジョウバエ属の複数の近縁種を用いて、同一の指標・実験手法で種間と種内の多様性効果を測定することで、これらの相対的重要性を直接的に比較し、特に種内多様性効果の生態的な重要性を明らかにしようとしています。

 

 

 


 

桂 優菜|Yuna Katsura|M2

ゲノム編集によるキイロショウジョウバエのRover /sitter 多型の原因遺伝子の探索

キイロショウジョウバエにはRover型とsitter型と呼ばれる多型が存在することが知られています。この多型の原因は採餌に関わるfor遺伝子にあるということが現在わかっています。しかしながら、for遺伝子だけが原因なのかどうかまだ確証が得られていない状況です。そこで私の研究として、キイロショウジョウバエをゲノム編集することで、この多型の原因遺伝子を解明しようとしています。

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横溝 匠|Takumi Yokomizo|D1

概潮汐リズムの獲得による汽水適応の実証と内在リズムの進化プロセスの解明

生物は進化の歴史のなかで自律的に時間をはかる機能(体内時計)を獲得しました。行動や生理機能を環境と同調させることは生物が高いパフォーマンスを発揮するために重要であり、生息環境に適した内在リズムをもつ必要があります。私は河川の汽水域では潮汐に同調したリズムをもつことが適応的になると考え、チリメンカワニナを用いて概潮汐リズムの獲得による汽水域進出を実証しようとしています。最終的には、体内時計の進化による局所適応と分布拡大への帰結を明らかにすることを目指しています。

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菰田浩明|Hiroaki Komoda|M2

送粉者の記憶と訪花特性

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姜雅珺|Jiang Yajun|M2

生息環境による翼の機能形態の違い

鳥の翼の形態は、分散能力と関係することが知られている。さらに、分散能力の違いが種分化の程度に影響することも明らかになっている。一方で、生息環境や生態の違いが、翼の形態に与える影響は非常に小さいと指摘されている。そこで、本研究では、翼の機能を風洞実験などを用いて詳細に評価するとともに、機能的に重要な形質の測定を行う。具体的には、既存の翼標本をもちいて、機能的に重要な形態の評価や、揚力や安定性などの機能の計測を行い、生息環境と機能形質の対応を解析する。


 

大類詩織|Shiori Ohrui|M1

チリメンカワニナにおける流速適応に対する移住荷重の検証

生物は適応進化をしますが、生息する環境に対して必ず最適になるとは限りません。その要因の一つとして、ある環境に適した遺伝子をもつ集団に、非適応的な対立遺伝子をもつ個体が移入することでその集団の適応度が下がる移住荷重があげられます。移住荷重は環境が極端に変わるほどかかりやすいとされています。私は、川の流水域と止水域に生息するチリメンカワニナを使って、流速適応に関わるとされる遡上能力の測定や形態解析などを行ない、それらの形質に対する移住荷重を検証します。

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佐藤あやめ|Ayame Sato|M1

都市の環境変化に対する生物の応答を検証する

現在、世界中で進行している都市化は、環境の急速な変化を通じて様々な生命現象に変化をもたらしています。都市における形質レベルでの変化と個体群動態や群集構造の変化とはたがいに影響を及ぼしあっており、これらを結びつけるメカニズムの解明が待たれています。このようなメカニズムに迫るため、私はモデル生物のキイロショウジョウバエに近縁な野外のショウジョウバエ属昆虫をもちいた室内実験によって、都市に生息する生物の応答を検証しています。

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小林遥香|Haruka Kobayashi|B4

鳥類の翼形態の進化と翼形の持つ機能

鳥類の翼には、飛翔はもちろんのこと、採餌のためのホバリングや転回、ディスプレイ行動における提示など様々な機能があります。種間、分類群間での形状の違いは、その種や分類群の生態や生活史と関連しているとされています。これまでの研究では、飛翔スタイルと翼の形状の関連は弱いとされていますが、翼の三次元的な形態が考慮されていないなど、翼形態の研究には未だ数多くの課題が存在します。私の研究では、鳥類の翼標本を用いて、ランドマーク解析や運動測定による翼形態の詳細な評価を行うとともに、系統関係とこれらを比較し、鳥類の翼の形状と機能の関係性、またこれらの系統との関連について明らかにすることで、鳥類の翼形の進化について探求しようとしています。

 


 

斉藤京太|Keita Saito|B4

さまざまな階層でみられる形質間の分散共分散行列の比較と進化の方向性の予測

種内には、ふつう、遺伝的な多様性が存在するので、選択圧さえ働けば進化が際限なく起こると考えられていますが、実際はそうではなく、進化には何らかの制約が存在していることがわかっています。この制約のメカニズムを研究することで、小進化や大進化、さらにはそれらの繋がりが明らかになると考えられています。また、進化の「予測」もできるようになる可能性があります。そこで私の研究では、ショウジョウバエ属昆虫を使用し、形質間の分散共分散行列を個体内(可塑性や発生ゆらぎ)や個体間、集団間、種間などのさまざまなスケールで算出し、各行列の関係を明確にすることで、進化の予測に関する進化の制約メカニズムを探すことを目指しています。

 

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柴田匡人|Masato Shibata|B4

昆虫普通種における進化機会と種分化可能性

生物種には、生息地毎に細かく種分化し多様化している種と、広域に分布している種が存在します。このような違いは多くの分類群で見られますが、その詳しいメカニズムは解明されていません。そこで私は日本列島に広く生息する普通種昆虫を対象として、個体群の遺伝構造が、それぞれの種のどのような生態、生活史と関係しているかを検討します。さらに、個体群の遺伝構造が分集団間での遺伝的分化の程度と関係するかも検証します。

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竹之下彰子|Akiko Takenoshita|B4

季節的環境変動に対するショウジョウバエ類の迅速な適応進化

環境の異質性は、一般的に、空間的変動と時間的変動に大別することができます。緯度や高度間の個体を比較した多くの研究により、さまざまな生物が空間的変動に対して適応し、進化することがわかっています。一方で、環境要因の年変動や季節変動といった時間的変動に着目した研究は少なく、とりわけ、季節変動に対する生物の進化は十分に検証されてきませんでした。世代時間が1年よりもはるかに短い種では、世代によって異なる選択圧を受けることで季節間で進化(遺伝子頻度の変化)が生じる可能性が大いにあります。そこで、私の研究では、1世代が15日前後と非常に短い野外のショウジョウバエ類を用いて、表現型とゲノムの2つのレベルから季節変動に対する生物の進化的な変化を検証します。

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水流尚樹|Naoki Tsuru|B4

交尾器形態の変異は種の違いを反映するか?

一般に昆虫の種の同定にはオスの交尾器の外部形態が用いられています。例えば新種を記載する場合にも、オス交尾器の形態を既存種のものと比較し、異なっていれば新種として記載されます。特に昆虫については、多くの場合交尾器形態のみで集団を区分して種とみなし、種多様性を認識していますが、この認識は本当に正しいのでしょうか。私の研究では、交尾器形態が交尾中に実際にどのように機能しているか解剖学的手法で検討し、それぞれの「形態」のもつ意味を考えます。そして、それぞれの器官の構造が物理的な生殖的隔離に、さらに、種間での違いにどのように影響しているか解明したいと思っています。

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卒業生・過去のメンバー

2019

  • D 阿部智和
  • M 友田七菜(Non-additive Effects of the Presence of Behavioral Polymorphism on Inter-individual Interactions and Population Dynamics)
  • B 上原由莉子
  • B キム ソノ(逆強化学習を用いたゴミムシダマシの二次元移動パターの解析)
  • B 村山翔一
  • B 田中知珠

2018

  • PD 玉川克典
  • M 川崎慎悟
  • M 黒田志織
  • M 秦 和也
  • 研究生 清水正明
  • B 相澤菜菜子
  • B 松尾優花

 

2017

  • B 柳田ゆきの
  • M 沖 三奈絵
  • M 向後良亮
  • M 佐藤 愛
  • D サイハンナ
  • D 岡村 悠

 

2016

  • B 勝連 桜
  • M 宮田能寛
  • M 福島宏晟

 

2015

  • M 阿部 永
  • M 田中優穂
  • M 都築なつみ
  • B 村上太一

 

2014

  • M 鈴木 隆央
  • B 岩井由実

 

2013

  • D 渡邉謙二
  • M 伊藤亮太
  • M 中臺亮介
  • M 齊藤智士

 

2012

  • M 二宮智美
  • M 五十嵐よしあき

 

2011

  • M 内川潤季

 

2009

  • B 明星亜理沙