研究テーマ

集団の生産性を向上させる形質多様性の創発現象の検証

生物はどのような種でも、種内に遺伝的な多様性が存在します。このような多様性は、時空間的な個体の棲み分けの促進や要求する資源の分散によって個体間の競争を緩和することで集団の生産性や安定性に貢献することがわかりつつあります。一方、種内の多様性が集団全体の生産性を必ずしも高めるわけではなく、単に多様性だけを大きくするのでは不十分であるとも考えられています。集団の生産性には種内の部分的な多様性の総和にとどまらない性質(創発現象)があると考えられますが、どのような条件を満たせば生産性の向上に結びつくのかは不明です。私の研究では、飼育や実験処理が容易なショウジョウバエ類の一種であるオオショウジョウバエを材料に種内多様性と集団の生産性の増減を網羅的に検証し、生物の生産性において創発現象を促す多様性の組み合わせ方に関する基本原理の発見をめざしています。

学会発表

論文(査読あり)

  1. Ueno. T. and Y. Tahkahashi (2020) Intrapopulation genetic variation in the level and rhythm of daily activity in Drosophila immigrans. Ecology and Evolution, 10: 14388–14393. https://doi.org/10.1002/ece3.7041
  2. Ueno, T. and Y. Takahashi (2021) Mitochondrial polymorphism shapes intrapopulation behavioural variation in wild Drosophila. Biology Letters, 17: 20210194. https://doi.org/10.1098/rsbl.2021.0194

 

国内学会(ポスター発表)

  1. 上野尚久・高橋佑磨, 野外のオオショウジョウバエにおける種内変異の多角的定量と個体群動態への影響, 第66回日本生態学会, P1-376, 神戸, 2019年3月.
  2. 上野尚久・高橋佑磨, 個体群内で見られる活動性や活動性リズムの変異, 第35回個体群生態学会, P-28, 京都, 2019年9月.
  3. 上野尚久・高橋佑磨, 日周活動の種内変異と幼虫と成虫で一貫しないパーソナリティ, 第38回日本動物行動学会,P-051, 大阪, 2019年11月.
  4. 上野尚久・高橋佑磨, 種内の量的変異は個体群の生産性を向上させるか, 第67回日本生態学会, P1-PA-002, 愛知, 2020年3月.
  5. 上野尚久・高橋佑磨, 非相加的な生態的帰結をもたらす遺伝的多様性のフェノームワイド関連解析, 第36回個体群生態学会, PP035, オンライン, 2020年11月.
  6. 上野尚久・高橋佑磨, 遺伝的多様性の生態的副産物とその高次遺伝基盤, 第23回日本進化学会, P2-19, オンライン, 2021年8月.

 

国内学会(口頭発表)

  1. 上野尚久・高橋佑磨, 種内の形質多様性がもつ多様性効果の普遍性, 第67回日本生態学会, 愛知, 2020年3月.
  2. 上野尚久・高橋佑磨, 遺伝的多様性がもつ非相加的な生態的機能のマルチオミクス解析, 第68回日本生態学会, B02-05,  オンライン, 2021年3月.

 

国内セミナー

  1. 上野尚久・高橋佑磨, ショウジョウバエの三人寄れば文殊の知恵:種内変異がもつ創発効果, 生態学若手研究者オンライン交流セミナー, 2020年10月.
  2. 上野尚久, マルチオミクス解析による遺伝的多様性効果に関わる形質群の推定, 第41回関東地区生態学関係修士論文発表会, 03, オンライン, 2021年2月.

 

研究助成

  1. 千葉大学 理学系アソシエーション研究支援事業 若手研究支援プログラム助成(代表)(指導教員:村上正志)
    キイロショウジョウバエにおける集団の創発的生態機能のゲノミクス
    2020年度
  2. 千葉大学 令和2年度 ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(先端型)グローバル・ダイバーシティ研究育成事業 英文校閲経費支援制度(代表)
  3. 千葉大学理学系アソシエーション研究支援事業 若手研究支援プログラム助成(代表)(指導教員:髙橋佑磨) 集団動態を決定づける高次遺伝基盤をゲノムワイドに探索する 2021年度
  4. 科学技術振興機構「次世代研究者挑戦的研究プログラム」千葉大学「全方位イノベーション創発博士人材養成プロジェクト」(代表) 遺伝的多様性が駆動する 創発的シナジー効果を活用した食料生産戦略の構築 研究期間 2021年度-
     
     

 

所属学会(学生会員)

  1. 日本生態学会
  2. 個体群生態学会
  3. 日本動物行動学会
  4. 日本進化学会